ITと創作でねこを飼いたい

プログラミングやITで勉強したこと、疑問をまとめます。

論文の書き方(主に体裁について)

 初っ端からIT関連の記事ではないのですが、大学で学んだことで「これは覚えておきたいor役にたつかな?」と思える内容の一つをまとめたいと思います。こういった記事については、今後も何度か書く予定です。

大層なタイトルではありますが、自分が教授に注意されたことについてつらつらと書く形になります(汗)

(あくまで一例です)

言葉使い

 ざっくりいうと、「漢字にするか、漢字にしないか」の話。

例えば

する事がわかった→することがわかった

出来ない→できない

従って→したがって(接続詞は基本的にひらがな)

等です。学会ごとに規定が設けられているのが一般的で、電気電子情報通信学会なら以下のようにまとめられています。

http://www.ieice.org/jpn/shiori/pdf/furoku_d.pdf

参考文献

  これも学会ごとにまとめられていることが多いかと。上記と同じように電子情報通信学会であれば

http://www.ieice.org/jpn/shiori/cs_2.html#2.6

にまとめられています。「先輩の書き方をコピペすればいいや」と思っている方も多いとは思うのですが、それでも「統一感」は大事です。複数の論文からコピペして書き方がいつの間にか違ってる、ということはよくあるので注意が必要。

(参考までに自分が書いていた分)

日本論文

  • 辻宏之, ”アレーアンテナを用いた屋内外の無線局位置推定の実験的検証,” 信学論B, vol.J90-B, no.9, pp.784-796, Sept. 2007.

英語論文

  • R. O. Schmidt, “Multiple emitter location and signal parameter estimation,” IEEE Trans. Antennas Propag., vol.34, no.3, pp.276-280, Mar. 1986.

また引用した文献は本文中のどこで参考にしているのか、必ず文献番号を明示すること。論文全体でその文献を参考にしているからと書かないのはNG

図と表のキャプション

 英語の場合、キャプション、縦軸横軸のラベル。図中に書く文字は全て最初の単語の最初の文字だけ大文字、あとは小文字にする。(タイトルの英語は別)

図のキャプションは

Fig. 1 Configuration of simulation system.

のように、最後に必ずピリオドをつける。「Fig. 1」は「Fig.(半角スペース)番号」の日表記にする。

 表のキャプションは「Table 1」のようにし、Tableの後にピリオドは入れない。

(Fig. 1の場合はFigureの略なのでピリオドをつける)

Fig.と同様にTable名の最後にピリオドをつける。

また、文中で図や表を言及したい場合は、英語は英語、日本語は日本語で表記するのが一般的。

式の書き方

 式には式番号をつける。番号は右端の揃った位置に。(私の場合は「表」を見えないようにして調整していました)

式のフォントの大きさは本文と一緒。(ただし、変な位置で改行してしまうような場合、私は少し小さいフォントを使っていました)

<よく間違える↓>

式の後は、式の末尾にピリオドを書かない限り、インデント(行頭のスペース)しない。例えば、式の後に「ここでxは●●である」のような式の変数の定義を書く場合はインデントはしてはいけない。

式中で日本語を書くことはあまりない。「sin」「exp」などの関数は立体で表記する。

式を文中で言及する場合「(1)式」ではなく「式(1)」と書く。

英語の省略語

 省略語を使う場合には、最初に出てきた際にフルスペルが何であるか必ず書く。

例)RMSE(Root Mean Squared Error)

私はカッコにフルスペルを書いていたが逆の方が良い場合もある。

パラメータについて

シミュレーションや実験で変化させるパラメータの設定をいちいち文章で書かない。基本は表などにまとめる。文章に書くべきなのはパラメータ設定の理由など。

細かい色々

・英数字のフォントはTime New Roman

スカラー変数はイタリック(斜辺)

・ベクトルは小文字ボールド

・行列は大文字ボールド

・数字は変数の中に入っていたとしてもイタリックにしない

(f(t)などと書く場合()をイタリックにしないように)

・図をwordに貼る場合は「拡張メタファイル」を貼り付けのオプションで選択。「拡張メタファイルは」一番扱いやすく、鮮明な部類である。

(ホーム画面貼り付けの矢印を押せば出てくる)

・「図をみる」という表現は論文っぽくない。

・グラフという言葉も論文っぽくない(論文っぽいか否かは口語的かどうかに依存する)

・「の時」「のとき」→「の場合」にする。

・カラー印刷・白黒印刷は分けて原稿を作成する。